アカデミックの道は険しい道。

突然の長期休暇のために、後先になってしまった、というお話。

一門の兄弟子さんが、先月いっぱいで神戸を離れ別の大学に移られることになった。
この春から既に異動先で講義を担当してはる、ということで毎週神戸と往復する多忙な生活。特に今月は引越し、セミナーでの報告、各方面での歓送会と多忙を極めたために、一門での歓送会は先輩の神戸での最後の夜に催されることになった。

文系の博士前期(修士)課程の就職活動というのは、基本的に学士(学部)と変わらない。ただ、博士後期課程、所謂「ドクター」と呼ばれる博士号取得者の就職活動というのはそれ以下のカテゴリーとは全く異質のものとなる。
欧米の企業では博士号(またはPh.D)の専門性の高さゆえ重宝される(まぁ向こうでは学歴で就職活動を区別しないんやろけど)一方で、日本の場合はその専門性の高さゆえに企業に敬遠されることの方がまだまだ多い気がする(参照:asahi.com
その為に、アカデミックな職業=研究職を志向している院生が多いけど、とはいえ現実は欠員補充の世界で非常に狭き門となっていることは事実である。

学士や修士の就職活動でも多少当てはまるけど、「運とコネ」がアカデミックの道を進む上での重要なファクターとなる。


そんな余談はええとして、四方山話から今の大学院の現状に対する不安までまぁ色んな話をすることができたけど、この日一番嬉しかったのは兄弟子さんが2次会で言って頂いた一言。

「神戸での最後の後輩が、(コースケ。)くんと(同期の相棒)くんで良かったよ。2人とも優秀なんだから、何も心配することはない」

アカデミックの道で地道に自分のキャリアを積み重ねてきた先輩だからこそ、この言葉の重みは大きいしありがたい。
あぁ、神戸に帰ってきて良かったな、なんて考えることもできなかったけど、この一言で初めてそう考えることができたかな。

腐る必要なんてないんだ。
前が霞んで見えなくとも、足元を見失わず一歩ずつ。
そうすることで、自分の自信は取り戻せるはずなんだ。