男女同時レポ"より高いレベルを目指すために"@東アジア選手権

なでしこ0-0中国女子

男子と女子ではサッカーの勢力図は大きく異なる。女子サッカーの場合、一昨日敗れた北朝鮮も今日の中国もともに実力では日本よりも上、というのがまず前提になる。

その中国を相手に得点は奪えなかったものの、終始試合を支配したことは大きな収穫である。後半中国の足が止まっていたとはいえ、MF澤を中心とした攻撃は形としてはうまく完成されていたと思う。


日本2-2中国

北朝鮮戦から先発を11人そっくり入れ替えて臨んだ中国戦。もしも「B代表」が現実に組織されるのであればまずスタメンに入るだろうと考えられる11人の実力をはかるには絶好の機会だったと思う。

結果としては、序盤から激しく体をぶつけてきた中国に触発されるように積極的に中国ゴールを脅かしたが、20分を過ぎたあたりからピタリと動きが止まったところを立て続けに2失点してしまった。結局その後は体が動かず同点にするのがやっと、このメンバーでは同点に出来ただけ上出来、というような試合内容だったと思う。


なでしこにしてもジーコジャパンにしても、ともに五輪出場、W杯出場と着実にではあるがレベルアップに成功している。しかし、さらに高いレベル(男子ではW杯で前回以上の成績をあげる、女子は中国・北朝鮮に勝つ)を目指すためには同じ課題があるということが今日の2試合で明らかになったと思う。

�ゴールまでの展開
例えばゴール前を組織的に固める相手に対して、どのようにしてボールをゴールまで持っていくか、という攻撃のパターンを確立すること。女子の場合はサイドから崩してもゴール前では明らかに体格で劣るので中央でいかにして相手の守備陣を振り回すかが鍵になる。男子の場合は組織的な守備に対して個で敵うはずはないので組織としての攻撃のパターンが必要である。これにはただボールを回すだけではなく人も動かす、等といった最低限のディシプリンを確立することが重要になってくる。

�クロス、シュートの精度
ゴール前までボールを運んだら今度はクロスを上げるかシュートを打つかの選択になる。どちらにしてもクロスを上げてもゴール前の選手に合わない(もっともゴール前に選手がいなければクロスの意味がなくなるが)、シュートしてもゴールの枠を外れたりGKの正面をつくのでは意味がない。もっとも男子の場合はシュートの数を増やすことが重要であったりするんやけど…

�メンタリティーの強さ
少なくともアジアでの戦いの場合、日本と対戦する国は並々ならぬモチベーションで日本に戦いを挑んでくるのは目に見えている。技術云々よりも、まずは気持ちで負けないこと。いわゆる球際の強さ、相手守備陣を崩すためのリスクを伴う戦略、ゴール前までボールを運び、シュートで終わらせる…そういったものは技術ももちろん必要やけれどもその技術をフルに活用するために必要なのは結局気持ちである。北朝鮮戦でも中国戦でも明らかに日本はメンタリティーで負けていた。1点を追う状況で易々と横パスとバックパスを繰り返すその気持ちがわからない。そんな状況でも味方を鼓舞するような選手も必要ではないかなとも思った。


この3点が改善されない限り日本はこれ以上のレベルアップは望めないだろうと私は考える。次回は共に韓国戦。今日の結果を受けてどのような戦いをするのか注目したいと思う。

それにしても、田中達だけは良かった…[E:smile]