ベクトルのずれ

お互いに正面から向き合う、ということが出来ていない。
私も、私の周りにいる人間も。
家庭内であっても、大学院の研究室であっても、仲のいい仲間内でも。

例えば、テーブルに相対して座っているとする。
体の向きと、視線だけは相手と向き合っている。
でも、お互いのベクトルが微妙にずれているので、両者が噛み合うことなんてない。
自分だけが1ミリずれていたとしても、相手も1ミリずれているとすれば、結局のところ2ミリずれていることになる。

腹立たしいことは、両者の細かいベクトルのずれに気付かない鈍感な人ばかりだということ。
哀しいことは、私にとってはその微妙なずれというのが顕著に見えてくるということ。

もう少し、もう少しだけお互いを確かめ合う、調整することでずれはなくなるのに。
その見込みがないから、余計に疲れが溜まることが多い。
私が出向くどの場面においても。
だから、おひとりさまの方が楽なんだってば。