何気ない言葉のちから

出入りしているお客さん先のあるプロジェクトが終わったということで、打ち上げに参加させてもらったある夜の話。
偉い人ばかりの中でひとり新人の私が混じってたんだけど・・・。

1次会ではそれはそれは、美味しい食事と共にあんなことあったよなと笑い話があったり、あるいは私がこんな研修を受けましたという話をしたら、やっぱ時代は変わったなぁと皆さんしみじみされたり。

これまでは先輩といっても年齢の近い先輩と飲むことが多かったので気付かなかったが、何年もキャリアを積み重ねられた先輩の話は一言の重みが違う。それを噛み締めながら話を聞くだけで勉強になる。

ふと、学生時代から忘れないようにしている言葉を思い出す。
社会人を経験されてから私と同時に大学院に入学された方が何度も聞かせてくれたことだけど、
「会社名で仕事をするのではなく、自分の実力で仕事をする」
ということ。
これだけは誰にも負けないという引き出しを自分の中に作ること。
自分がどういう引き出しを用意すればいいかな、ということを悶々と考えてきたんだけど、大阪での仕事も段々慣れてくるにつれて、自分の方向性が少しずつ明るみを帯び始めてきた。
この気持ちを大切にしなくちゃいけないし、周りの同僚や先輩にきちんと伝えられるようにしなくちゃいけない。

話は変わって、2次会の話。
四ツ橋筋から少し細い路地に入ったところにある、小さいバーに連れてってもらった。
そこのおばさんが昔うつで苦しんだ経験があるという話をしてくれた。
実は私も昔似たような経験がありましてね、という話をポロッとしたら、
「色々苦労したんだね。でも2度と同じことで苦しむことはないよ」
ということを言ってくれたのがものすごく嬉しくって。
顔は平静を装ってたけど、心の中では泣きそうになってた。

実は自分の中で「やばいな」と思うことが続いてて。
これは昔苦しんでた頃に戻ってしまいそうだなと、体がそういうシグナルを出してるなということは重々承知していた。
この感覚って、経験したものにしかわからない。
おそらくおばさんが、そんな私の心の中を見透かしていたのかどうかはわからないけれど、何気ない一言ですごく勇気をもらったのは間違いない。

明日からまた、頑張ろう。
いい人に恵まれている自分は、とても幸運だ。