超絶大雑把なTPPに関するあれやこれや

私は基本的にTPP参加には条件付賛成である。
条件付、としているのは、その前に国内で片付けるべきことがたくさんあるだろう、と考えているからだ。
それについて書こうと思って参考文献を探していたんだけど、TPPについてフェアな視点で書かれた書籍がなかなか見つからない。
→と思ったら、ようやっとGigazineさんがまとめてくれた。

TPPは全世界で反対されている、自由貿易ではなく公正貿易が必要 - GIGAZINE

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ここまで書いといて、(TPPでぐぐってここに辿り着いた方のためにも)断り書き
FTAEPA推進派が書いているので、基本的にはTPPにも賛成のスタンスです
・良好な参考文献に出くわせなかったので、ここで記述する内容は裏づけがありません、あくまで個人的な見解と捉えてください(ですのでコメントで内容について批判するのは当然お断り)
・当方は貿易の自由化について研究していたのでそれなりの前提知識はあるかと思いますが、あくまで昔とったなんとか、程度の知識です
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国内で片付けるべきこと、は大きく分類すると2つある。
ひとつは、経済成長に対する道標を明確にすることである。
具体的には、規制緩和と労働問題に対してどのようなActionをとるか。
規制緩和については、一昔前までは散々叫ばれていたにもかかわらず、今となってはもはや死語となっている印象がある。
経済成長を阻む要因が国内制度にあるとすれば、そこに既得権益があるのかもしれないが、長期的な視野にたって規制を取っ払うべきである。
労働問題については、所得格差や非正規雇用の増加への対処が必要になる。
ただし、あくまで『道標を明確にする』としたのは、施策を実行するのは大事だけど、そもそもどういう戦略で進めていくのか、というのが見えてこないので、まずは戦略に関してコンセンサスをとるのが大事だろう、という理由からである。

もうひとつ、これは1つめよりも大事だけれど、国民に対する説明である。
なぜ、TPPに参加するのか、ということと、TPPに対して日本はどのようなスタンスで交渉に臨むのか、という説明が全くなく、「参加することに意義がある」みたいな風潮になってやしないか、という不安がある。

もともと日本は、TPPのようなN:Nの貿易自由化には慎重で、1:1のFTA(日本の場合はEPAのほうが正しい)を推し進めた経緯がある。それがメキシコや東南アジア各国とのEPAであり、すでに発効されている。
日本が個別のEPAを進めてきた背景には、WTO主導の貿易自由化の枠組み交渉が進まないなどが挙げられるが、話が脱線するので割愛する。
しかし、個別のEPAを進めるという戦略から、TPPへ参加することへ「戦略転換」することを決断した背景について、全く説明がないように思える。
もう1点、TPPに対するスタンスに関しては、交渉の余地があるのか無いのかという議論はあるけれども、TPPが日本の経済成長に対してどのような効力を発揮すべきか、そのためにTPP参加国が(というか米国が)享受すべき問題は何か、それを明確にする必要があるのではないかと考えている。