3回表2アウト、3点のビハインド。

早朝のバイトを終えた日は、いつものように重役登山。
午後から訪れた研究室は、さながら3回表2アウト3点のビハインド。

マウンド上では、内野手とバッテリーが集まってこのビハインドから傷口の広がりを最小限に抑えるための話し合いが行われている。
ある人間はデータのことを述べ、またある人間はモデルのことを述べ、はたまた別の人間はマウンドを頻りに気にかける。
さすがに、スタンドの野次に唾を吐くような真似をしている人間はいないけど。

皆が皆、悩んでいることは同じである。
ただ、立ち上がりにこのビハインドを取られてしまって、ただただ立ち尽くしているだけのナインがマウンド上にいる。