ベースボールとナショナリズム

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、ご存知の通り日本の優勝で終わったけれども、この大会を通して感じたことを。

この大会って、運営方法とか諸々でトラブルが発生して難儀やった。MLBが主催して、マイナーリーグの審判が審判団を務めて、アメリカが中南米との対決を避けるような組み合わせや決勝までに3回も韓国と対戦させられた試合日程。

9.11以降のアフガン、イラク侵攻やないけど、「米国のベースボールは最強なんだ」なんてことを世界に知らしめることで米国のナショナリズムを誇示しようとしたんかもしれんけど、最後は2次リーグで敗退という笑えんオチ。

メジャーリーグは、文字通り米国が誇る世界最強のベースボールのリーグ。ワールドシリーズは文字通り米国が誇る世界一決定戦やし、現代のアメリカンドリームを象徴している。だからメジャーのユニフォームには星条旗がプリントされているしテロの直後は"God Bless America"が流れてた(今も流れてるんかな?)し、大統領が始球式に登板したり米軍のステルスがセレモニーを飾ったりする。

ただ、メジャーリーグで活躍している選手達を見てみると、中南米出身の選手がかなりの割合を占めている、ということがわかる。ドミニカ、プエルトリコベネズエラ…現在メッツのペドロ・マルティネスキューバからボートで亡命した選手やし。

中南米出身者が増加した背景には球団増で選手の需要が国内では賄いきれない、などがあるらしいけれど、とどのつまり現在のメジャーリーグは非常に多くのナショナリティーをもった選手が集まったコミュニティであるということをMLBは忘れていたのではないかと。スポーツでナショナリズムを誇示するなんて社会主義国やあるまいし。そこら辺に今大会の歪みは収束されるんとちゃうかなと考えたわけで。

まぁ今回でMLBも頭を冷やしたやろから、次回3年後はもっと素晴らしい大会になるように今から心待ちにしようではありませんか。