今さら?!いや、やっと書くことが出来ます…

いつも私のブログに遊びに来てくれるfallさん(ブログ「忙しい日々」はこちら)から、質問がありました。まぁ普通やったら返事を書くんですが、長くなりそうなんであえてこちらで書かせてもらいます。

私のゼミの担当教授が、この4月に交替しました。その話を最初に聞いたのは昨年の6月にゼミ生で香川県に旅行に行ったときの夜、みんなで集まって私(一応ゼミ幹事)の部屋で飲んでた時でした。理由は、教授会に申請した定年延長の件を投票で否決されたから、ということでした。その後、昨年末の大学の理事会で正式に教授の定年延長打ち切りが決まりまして、今年の1月に大学を相手に訴訟を起こしております。

大学を相手に提訴した根拠は、本人の言葉を借りるとこうなります。
「○◎大の競争力を高めたいと思い、人事やカリキュラムなどの改善を求めてきた。05年度も指導する予定だったゼミの学生(←これは私も含まれます)もおり、延長拒否は合理的理由がない」(朝日新聞2005年1月20日付夕刊より)

日本の大学ではほとんど一緒かもしれませんが、ゼミは3回から4回にかけて履修します。(1つ下の学年からゼミに入るのが半年早くなったらしいです)3回では講義をしたり発表があったりして、4回で卒論を書く、というのが一般的なパターンです。まぁ大学ですから中には卒論がいらん、なんて楽なゼミもあるという噂も聞きますが、大体どこの大学でもゼミの担当教授は途中で交替することはない、というのが普通やと思います。

大学からゼミ教授の交替の件でゼミ生が呼び出されたのが1月の中旬。以後、1月の末、3月の上旬と3回学部執行部との話し合いの場が持たれました。ゼミ生だけでもその間何度か集まったり、研究室に行って今後のことを話し合ったりしました。こうしたやり取りを通じて決まったのが
「学部長がゼミを引き継ぐ、ゼミ生は継続してゼミに入るか別のゼミに移籍するかゼミをやめるかを選択する」
というものでした。結局、3人がゼミをやめた以外は全員残りました。(私の学部ではゼミに入らなくても単位が揃えば卒業は出来ます)

ここまでの話を見るとスムーズにことが進んだように見えますが、実際は複雑な問題が色々ありました。
前の教授は端的に言えば「いいたいことは言う」タイプの人だったので、教授会の中では敵が多く、また少数派で非主流派だった理論科目(マクロやミクロ)を専門とする派閥にいた。多数派で主流派の派閥は歴史や思想(マルクスなどの古典購読や政治経済学)を専門とする教授が多い(注:経済学部です)。こうしたことから教授会での定年延長拒否というのは教授会内部の政治的な意図が見え隠れする、ということ。(この問題と関係はわかりませんが理論科目の先生が2人昨年度末で大学を辞めました)
新しいゼミ担当教授は専門云々で決めたわけではなく、他に引き受ける教授がいないので学部長が引き受けることになった、ということ。ちなみに新しい担当の専門は政治経済学(前の教授の専門は国際マクロ経済学)。ゼミをやめた学生は最後までこれに反発していた。実は今回辞めて他大学に移った先生で、夏休みに集中講義をしてゼミの替わりにする、ということで特例でゼミが存続したところもありました。その可能性を最後まで模索したのに、私のゼミでは叶いませんでした。
なんだかんだ言うて、ゼミ生の足並みが揃わなかった、ということ。私も含めて大半は就活が始まってたし、何か行動して就活に影響を及ぼすくらいなら担当教授が替わっても構わないという学生と、何が何でも教授は変えてほしくないのでできることはやりたいという学生との間の相違は縮まらないまま新しいゼミが始まった、という感じ。結局後者がゼミをやめて、ゼミの大学院生と一緒に先月大学を相手に元の教授の講義再開を求めて裁判所に仮処分申請をしたようです。実は前の教授は、ゼミ生を指導できるのであればボランティアであれどんな形でも構わないと言っていたのですが、可能性があるのならどんどん行動してほしいと煽っていた学生がいたのも事実。

今回の問題を通して、大学の中の複雑な人間関係が垣間見えたような気がします。他にもいろんなことに振り回されて精神的に参った時期もありました。でも一昨日ゼミの友達とカフェで話したときに、「前の教授と違ってフレンドリーやし話がしやすい」なんていう言葉を聞きました。そういえば旅行に行ったり飲み会も2,3回ありましたが、学生から見たら少し近寄りがたい教授やった、という意見が多かったのも事実です。ただ、現実として新しくゼミが始まってから顔を見せていない学生のほうが多いし、一昨日なんて卒論のテーマを提出する日やったのに参加者が私を含めて3人だけ…当日の朝作って1時間遅れても出席したというのに、ゼミに嫌気が差した学生もやっぱ多いんやろな。

私の個人的な意見はカットしますが、今はとにかく卒論と院試に集中できたらそれでいい、というスタンスです。